持ってる若獅子!! 途中出場の西武長谷川信哉内野手(21)が、プロ初のサヨナラ本塁打を放った。

1-1に追いつかれた9回1死、中日祖父江の外角低め直球を左翼席へ。本拠地の大声援の中、右人さし指を突き上げダイヤモンドを周回し、歓喜のウオーターシャワー。「シンプルに気持ち良かったです。しっかり振り抜いた結果スタンドまで届いてくれた」と喜んだ。

またも土壇場で真価を発揮した。5月16日の日本ハム戦では9回2死から同点となるプロ1号を放ち、延長勝利に結びつけた。その後スタメンに定着しかけたが、5月30日に特例2023で登録抹消。今月2日に再登録されると「川越さんにスタメンをとられ、すごく悔しく思いました。でもそれを引きずっててはいけない。切り替えてベンチの仕事をしていこう」。この日は7回無死から、その川越の代走として出場。その後2死二塁から源田の右前打で先制のホームイン。9回の大仕事につなげた。

チームとして今季初のサヨナラ勝利で、交流戦勝率5割復帰。松井監督も「持ってるんですね。ああいうところ1発で結果を出せるって」とヒーローをたたえた。育成入団から3年目の“持ってる男”は「逆境というか、追い込まれるほど(力を)発揮出来るんじゃないかなというのは感じます」。これからも持ち味の勝負強さを示していく決意だ。【鈴木正章】

◆長谷川信哉(はせがわ・しんや)2002年(平14)5月17日、京都府生まれ。20年育成ドラフト2位で西武入り。22年7月2日に支配下選手登録。母りかさんは舞妓(まいこ)をしていた。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸670万円。