阪神岡田彰布監督(65)の打撃大幅改造が見事にハマった。不振のノイジーを外し、3番に高卒2年目の前川を抜てき。状態が上がってきた梅野を6番に上げ、8番遊撃には4月7日ヤクルト戦以来2カ月ぶりに小幡を起用した。6試合ぶりに先発したミエセスも1発を放つなど、それぞれが持ち場で役割を果たし、楽天戦の快勝に貢献した。

指揮官はスタメンで起用した選手の奮闘ぶりにえびす顔だ。「おう、打ったなあ。見事的中したなあ。全部俺がやってんやけどな。違うけど」とニヤリ。「ある程度順番は(決めた)。前川の3番は俺が進言したけどな」と明かした。

5回の攻撃で采配がさえ渡った。4-2と2点リードの1死一、三塁で打席には小幡。初球でセーフティースクイズを試み、一塁線へ転がした。田中将がグラブで捕球しそのまま本塁へトスするも、三塁走者梅野がヘッドスライディングで捕手安田のタッチをかいくぐった。“してやったり”の笑顔をみせた指揮官は「(3回に)ホームラン、ホームランで2点かえされて嫌な感じやったから、やっぱりもう1点欲しかった。左でなかなか難しいけど小幡な、ちゃんとやったよな」と評価。今季阪神では開幕戦の3月31日DeNA戦(京セラドーム大阪)で青柳が4回に決めて以来2度目のスクイズ成功で、リードを3点に拡大させた。

久々の小幡の起用について指揮官は「ちょっと木浪もだいぶな、ちょっとバットも出んようなっとったし、ワンバンとかボール球振るようなってたから、ちょっとリフレッシュの意味も兼ねてな」と説明。「小幡もあんなサヨナラ打ってからもずっと良かったから、ちょうどなあ、昨日も負けたし、ええタイミングやなあ思たからなあ。まあそういう代役というか代わりがみんな打ちよったからなあ」と笑いが止まらない。

岡田監督VS田中将に限れば、オリックス監督時代を含め連敗が6でストップ。5時間超えゲーム一夜明けで臨んだ前日6日の敗戦の借りを返す会心の仙台ナイトとなった。【古財稜明】