巨人が主将の4番岡本和真内野手(28)の決勝弾で連敗を2で止めた。
同点の6回、左翼の看板に直撃する特大23号ソロを放った。副主将の3番吉川尚輝内野手(29)も4号ソロを含む3安打4打点。坂本勇人内野手(35)が体調不良でベンチ外となった中で、開幕から全試合出場を続ける主将と副主将が躍動した。投げては菅野智之投手(34)が中4日で6回途中3失点と粘った。2位阪神とのゲーム差2をキープし、最短で18日に優勝マジックが点灯する。
◇ ◇ ◇
いつも通り表情を変えず、岡本和はダイヤモンドを1周した。3-3と追いつかれた直後の6回だった。中日藤嶋の高め133キロのスプリットを完璧につかまえた。両手に心地よい感覚が残る。飛距離129メートル。打球は左翼バルコニー席の上部に位置する看板に直撃した。「素直にうれしい。何とかいい流れをと思っていた。先頭で塁に出ないといけなかった。打ててよかった」。5日ヤクルト戦以来、8試合ぶりの1発が決勝点となった。
4番の風格と意地が詰まっていた。前夜のヤクルト戦は、得点圏の打席で2三振に倒れた。敷田球審から声をかけられ、にらみ合いとなる場面も。敗戦の責任を背負った翌日に、今度は試合を決めた。
巨人の4番。重く、輝かしい看板を当たり前に背負い続ける。凡退するとバットを地面にたたきつけ、感情を表に出すことも多い。ただ試合後は打てなくても、柔らかな雰囲気をまとっている。もちろん内心は「めっちゃ悔しいですよ」。ただ、4番としての立場、影響を考える。「チームの空気、雰囲気とか悪くするのも嫌でしょ」とグラウンドを出ると、平然と振る舞うように心がける。
最下位ヤクルトに2連敗した悪い流れを、一振りで食い止めた。優勝争いの中で「僕らは勝てばいい。それだけ」と、シンプルに勝つことにベクトルを向ける。阿部監督から「4番が打てば、勝てる確率は上がる。ナイスホームランだったと思います」とたたえられた。事実、岡本和が本塁打を放つと、チームは18勝3敗1分けの勝率8割5分7厘だ。勝利打点もセ・リーグでダントツの今季18度目。残り13試合。4番が打てば、勝つ。打てば打つほど、優勝に近づく。【上田悠太】
▼岡本和が6回に勝ち越しの23号。これで今季の岡本和は肩書付きの殊勲安打が28本、殊勲本塁打が16本、V打点が18度となり、3部門ともリーグ1位の「殊勲3冠」。2リーグ制後、巨人選手の殊勲3冠は57年宮本、63年長嶋、70、78年王、02年松井、12年阿部の過去5人、6度だけ。12年の阿部監督は殊勲安打31本、殊勲本塁打16本、V打点21度でチームを優勝へ導いたが、岡本和も殊勲3冠と優勝の両方を手にできるか。



