亜大が東洋大に先勝し、今季初勝利を挙げた。
ドラフト候補に挙がる前嶋藍捕手(4年=横浜隼人)が、一振りで勝負を決めた。6回、同点に追い付き、なおも2死満塁。初球の甘く入ったカットボールを反応で振り抜くと打球はレフトスタンドへ。大学初本塁打が、値千金の勝ち越し満塁弾になった。「先週からチームが苦しい状況で、なんとか勝つという執念でいった結果がバットに乗ってくれて、ホームランにつながったと思います」と胸を張った。
守備でも5人の投手を好リード。東洋大打線をわずか1安打に抑えた。その影には“野村イズム”があった。高校時代、恩師で横浜隼人の水谷哲也監督(61)に「この本を読んで成長しろ」と手渡されたのが名将・野村克也氏の「野村ノート」だった。何度も読み返し、バッター心理を読み解いた。「まっすぐと変化球のコンビネーションだったり、バッターが変化球を張ってると思ったらまっすぐ投げたり。そこもストライクではなくボール球で入ったり。相手のバッターの様子を見て組み立てた結果。良かったです」。打者だけでなく、投手心理も読みながら、丁寧にコースに投げさせた。
試合を視察した広島の田村恵スカウト部長は「捕球がうまいし肩も強い。投手に声もかけてのインサイドワークもいい。1打席目に見た時に、スイング良くなっていると感じた。あんな1発(満塁本塁打)を打つとは思わなかった」と舌を巻いた。
「野村ノート」から一番学んだのは「自分の結果よりも、まずチームの勝利」だった。「まずはチームの結果が第一優先。リードもそうですけど、バッティングでも力をつけて(明日勝って)勝ち点1を取りにいきたいと思います」と、力を込めた。



