23年ドラフト1位の阪神下村海翔投手(24)がプロ初先発で粘投も、初勝利はお預けとなった。5回6安打2失点で堂々の1軍デビューを飾った。

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兵庫・西宮市出身の下村にとって、甲子園への道のりは近くて遠かった。

「1年目で、タイガースのドラ1で1球も投げてない。入団して自分の思い描いていた姿でもない」

プロ野球人生は苦悩の日々で始まった。重圧を抱えながらトミー・ジョン手術を決断。リハビリ開始直後はプラン通り進んだ。だが、ボールを投げ始めると肘の痛み。2年目の25年沖縄・具志川キャンプでブルペン入り。だが、次のブルペン入りは4月まで空いた。同年8月にはSGLでシート打撃に登板も、2度目の後に再びノースロー調整。入団から2年間、実戦登板はなかった。「ちょっと上がってブルペン入ってまた落ちて。試合の強度に近づけば近づくほど、肘の反応も大きくなる」。実戦に近づくほど、遠のいていく。

「もうどうしたらいいかわからない」。本音が漏れたこともあった。それでも同手術を経験した高橋や島本(現日本ハム)から「そんなん全然まだ大したことない。絶対大丈夫やから」と声をかけてもらった。「あの人たちに比べたらまだまだ全然。こんなところで弱音なんか吐いてられへんな」。先輩たちの言葉と快投が下村の背中を何度も押した。

球団のサポート、トレーナー、先輩、チームメート、ファン…下村は多くの人に助けられた。「支えてくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい」。恩返しの道はここから始まる。【村松万里子】

▼九国大付属・楠城徹前監督(75) (高校)3年間で打者に向かっていく姿勢もすごく良くなった。青学大に行っても近況を聞いて誇らしく思っていました。肘が柔らかくて球持ちがいい投手ですから、そこを伸ばしていけたらプロでも通用するんじゃないかな。(プロ入り後)故障してつらい思いをしたので、体のケアをしっかりやって、1年でも長く、投げ続けてほしいです。

▼青学大・安藤寧則監督(49) よく頑張ってここまでたどり着いたと褒めたいです。(大学時代に右肘クリーニング手術と軟骨再生手術を受け)投げられない時もずっと頑張っていた姿を見ていました。阪神に行っても同じだったみたいで、すごいなと思っていました。これまた勝負の世界。1軍舞台にたどり着かなかったら、良いも悪いも結果を出せない。今日の結果を次につなげていける力はあると思うので、頑張れ。将来はチームを背負える投手になってほしいですね。技量はもちろん、人間性も含め、野球界に長く携わってほしいです。

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