ルーキーイヤーから6年連続オールスターに出場した全セの阪神中野拓夢内野手(30)が、日刊スポーツに独占手記を寄せた。「背番号7の夏祭り」と題した2回連載の2回目は、球宴出場の意義。楽しむ姿を見せられるからこそ、子どもたちに夢を与えることができる2試合と定義した。自身の打撃論では本塁打を「狙っていない」理由を説明。自己犠牲に徹するための深い理由と後半戦への意気込みを語った。【聞き手=只松憲】
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6年目のオールスターになりますが、やはり楽しいですね。ずっと出場させてもらっているのでコンディション調整で大変な部分もありますが、限られた選手しか出場することができない舞台です。この雰囲気を味わえることはプロ野球選手としてすごく光栄なことだと思っています。毎回開催される場所も違いますし、やっぱりファンの方が楽しみに見に来てくれているのはすごく伝わります。
オールスターは独特な雰囲気です。シーズン中のように大変なプレッシャーの中で野球をするわけではありません。逆に言えば楽しみながら野球ができる2試合だなって思いますし、試合に出ていない時でもベンチで他球団の選手とコミュニケーションが取れます。勝敗というより本当に野球を楽しむ時間。野球の楽しさを子どもたちに改めて伝えることができるのがオールスターだと思っています。
選出が決まった時の記者会見で、かつて中日大島さんにアドバイスをいただいて、それが今の自分にすごく生きているという話をしました。あれはプロ1年目の2021年、楽天生命パーク宮城で行われた第2戦の時でした。調子がいい時は継続できればいいですが、悪くなった時にどういう修正方法があるのか…。大島さんは同じ左バッターですし、プレースタイルも一緒だなと思っていました。「こういう練習方法がある」「こういう考え方がある」など親身に教えていただいたのを鮮明に覚えています。若手の時からあの日のアドバイスを取り入れながら野球と向き合っています。オールスターならではの交流。忘れられないオールスターです。
自分の打撃スタイルはヒットや進塁打、犠打で打線をつなぐことです。リーグ優勝した昨季は本塁打0でした。今季も前半戦を終えて0本。オールスターに出場している打者の中では圧倒的に少ないと思います。今回は本塁打への考え方を少し話したいと思います。
自分ひとりで点を取れるので、もちろん打てるに越したことないです。ですが、過去の経験でホームランを打った後に調子を崩してしまうことが多くありました。例えばキャリア最多6本塁打を放った22年です。本塁打を放った次の試合は合計17打数1安打でした。自分としてはホームランが出たとしても調子がいいとは言えません。だったら自分の確実なバッティングスタイルを貫き通した結果、それがホームランになればいいかなと思っています。ホームランを打たなくてもいいかなっていう気持ちもありますし、あんまり狙ってないです。
打撃スタイルで言えば思い切り引っ張るタイプではありません。引っ張りの意識が強くなってしまうと、外角のボールをとらえきれなくなったり、いい方向に働かないことが多くあります。繰り返しますが、得点を奪うことができるので、もちろん打てたらいいですけど、自分の調子を崩してまで打ちたいという風には思っていません。
29日の第2戦を終えると、1日移動日をはさんで後半戦が開幕します。引き続き2番を任せていただけるとしたら、そこには藤川監督を含めてチームの方針があります。「自分を2番に置くならばこういう野球をするんだな」って、ある程度自分で理解しながらのプレーを継続していきます。2番に輝や森下を置く場合は早めに点を取りに行く強攻策というか、小技を使わずに攻めていくんだなっていうイメージができますが、自分が2番を打つならば小技だったりクリーンアップにつなげる役割が求められているのは分かっています。そこは自己犠牲です。阪神のクリーンアップはチャンスで回せば走者を返してくれる、何かをしてくれると思っています。自分は自分の役割を忘れずにチームに貢献していきます。
まずは、富山でのオールスター。令和6年に起こった能登半島地震の復興支援大会として開催されます。多くの方々を勇気づけられるようにプレーしていきたいと思います。(阪神タイガース内野手)
○…中野はオールスター第1戦に「9番二塁」でスタメン出場した。結果は2打数無安打も「自分よりすごい選手がたくさんいる。バッティング練習にしても見ているだけで全然違うなって感じた。全員すごい」と刺激を受けていた。今年はホームランダービーの打撃投手役は行わず。「今年は絶対にやらないと決めていた。何があっても曲げないように」と固い意志を貫いた。



