10月30日に巨人から金銭トレードで加入した楽天の甲斐拓也捕手(33)が3日、仙台市内の楽天モバイル最強パークで入団会見を行った。
日本代表として23年WBCなども経験した名捕手の電撃トレード発表から5日。甲斐の背番号は、かつて嶋基宏氏が背負った37番に決まった。
“甲斐キャノン”と形容される強肩へのこだわりを明かした。地元メディアから、「“甲斐キャノン”が楽しみだ」と期待されると、「とてもうれしく思います。そういったふうに言っていただけるのはとてもうれしいことですし、この地で野球ができるというのは、僕自身もものすごく楽しみでいるので、たくさんの方がそういうふうに言っていただけるのは、野球人としても、やっぱり人としてすごくうれしいことだなと思います」と笑顔をほころばせた。
ランナーを刺すというプレーに関して「当然、そこにもこだわりは持っていますし、そういったところの部分でこの世界に入ってきたというのもあるので、そこは引き続き、そういったいいものを見せられればと思います」と力を込めた。
甲斐は2010年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。17年以降は主力として日本一などに貢献。23年WBC出場など日本代表としても活躍していた。 24年オフに巨人へFA移籍後は苦しみ、2年で出場は81試合。昨季はけが、今季は不振と2軍で過ごす時間も多かった。退団のあいさつ時には「びっくりというところも、さみしさもある」と本音を吐露。「ものすごく財産になった。1つ1つの出会いが大きかった」と振り返っていた。
3年ぶりのパ・リーグ復帰で、楽天では懸念されていた捕手事情を解決する存在として期待されている。今季チーム最多の100試合に出場した太田は国内FA権行使を明言し、退団する可能性がある。打撃が武器のYG安田は一塁に加え、三塁に挑戦するなど来季は内野に比重を置くことが予想される。今オフは伊藤光、石原、大栄が戦力外となり、ドラフト会議では青学大・渡部を1位、東芝・萩原を4位で指名したが、正捕手候補になりえるベテランはチームに必要なピースだった。
常勝軍団ソフトバンクでは絶対的司令塔として4度の日本一も経験。今季の楽天は58勝84敗1分けの借金26で8年ぶりの最下位と低迷しており、侍ジャパンで世界一も経験した百戦錬磨の女房役の加入は大きな刺激となる。甲斐は「勝ちに飢えている。野球でたくさん喜びたいし、大変な思いもしたい」と、再び1軍の正捕手として勝利をつかみにいく。
今季の楽天は失点数555、防御率3・63がともにリーグ4位で、勝ち試合を増やすためにはディフェンス面の強化が不可欠だった。石井一久GMは「勝者のメンタリティーを持っている。キャッチャーはみんなの方を向いているので、広い視野で鼓舞してくれると思う。背中を見せられる選手が入ることで(若手が)成長できるところもある。すごい頼もしい存在だと思う」と見据える。経験の浅い捕手、投手を導く「先生役」としても存在感を発揮していくことになりそうだ。
この日は秋季練習の一般無料公開日で、甲斐も会見前にグラウンドにサプライズで姿を見せてファンにあいさつして沸かせた。チームの最下位からの復権へ向け、新天地での挑戦が始まる。



