先発の座を取り戻す-。広島の青木高広投手(26)が、中継ぎ登板で好投を見せている。17日の日本ハム戦では2イニングを0封するなど、ここ2試合連続で失点ゼロ。不調で2軍落ちも経験したが、安定感が戻ってきた。今季はここまで9試合に登板したが、先発は2度だけ。昨季は先発ローテーションをほぼ守った実績を持つだけに「先発復帰」へ燃えている。

 惜しくも敗れた17日の日本ハム戦。先発大竹が5回もたずに降板。後を受けた中継ぎ陣も打ち込まれたが、4番手で登板した青木高は打者7人に対し1安打無四球。8回の猛反撃を呼び込んだ。8日のソフトバンク戦でも2イニングを無四球無安打。これで4イニング連続無失点。その間に浴びた安打はわずかに1本だ。身上の低めへの制球が戻りつつある。

 「低めへ集めることを目指してやっている。今はやろうとしていることが、しっかりやれている。同じミスはしないように。昨日以上にやらないと」(青木高)。キャンプから首脳陣の評価は高く、オープン戦の開幕投手も任された。先発ローテは当確…のはずだったが、3月6日、社会人オール広島との練習試合で先発し3回7安打4失点。高めの球を痛打された。そこから調子が戻らず、紅白戦でも失点を重ねた。開幕は中継ぎスタートとなった。

 4月14日に降格、4月27日に再昇格。5月5日にまた降格し5月31日に再び上がってきた。落ちたり上がったり…。開幕からローテを守った昨年とは状況が違う。もう2軍に落ちるわけにはいかない。ファームでは配球面を意識し投げ込んだ。追い込んでから打たれないために。「つながりを持った投球。2ストライクからでも、ボールにするところはボールにする。メリハリのあるピッチング」。今季、先発した2試合ではいずれも甘い球を痛打され本塁打を浴びている。メリハリと低め、この2つの要素をものにできれば先発への道は再び開ける。

 現在ベテラン高橋が首の違和感で離脱中。大竹も本調子ではない。交流戦が終われば、先発の台所事情は苦しくなる。「先発に復帰するために、任されたところで結果を出していかないと」。昨年は29試合で24先発。再びローテへ-。青木高は虎視眈々(たんたん)とその時を待っている。【網

 孝広】