ロッテの里崎智也捕手(32)が来年3月のWBCを辞退する意向であることが26日、明らかになった。長引いている右ひじ痛の治療に加え、チームのV奪回に力を集中させたいためとみられる。すでにバレンタイン監督に辞退の意向を伝えている。監督問題で揺れるWBC日本代表だが、選手選考でも「要不在」という不安材料が襲いかかった。

 里崎は06年のWBC第1回大会では優勝の原動力となり、イチロー、松坂と並び日本人3人しか選出されなかったベストナインを獲得した。今夏の北京五輪にも出場し日本代表捕手として実績を築いてきた。だが、今季は右ひじ痛の影響もあり92試合の出場にとどまり打率2割6分1厘、打点45。チームも4位に終わった。

 球団関係者によると、辞退の理由について「まずはひじの治療に取り組み、来季はチームの要として優勝に貢献したい気持ちが強いようだ」と話した。WBCで使用する縫い目の高いメジャー球は、ひじへの負担が大きい。周囲からはけがの状態を悪化させないためにも辞退すべきとの声も聞かれていた。

 里崎はかねて、WBCについて「世界一という最高の名誉を懸けた舞台」と意欲を見せていた。しかし今季は開幕2戦目で右ひじ痛を訴え、先発マスクから外れた。5月に復帰した後は攻守にチームを引っ張ったが、北京五輪で1カ月間チームを離脱。9月には背筋痛で再び試合出場が減り、キャプテンを任されながらチームに貢献できなかったとの思いが強い。

 18日から始まった秋季練習中にバレンタイン監督と話し合った際、WBCにも触れ辞退する意向を伝えた。