真弓阪神はスクイズやるで!

 阪神の沖縄・宜野座キャンプで14日、真弓明信監督(55)が初めてスクイズの練習に着手した。ケース打撃特打の中で、藤本や坂ら野手に指示したもので、阪神のキャンプで本格的なスクイズ練習実施は6年ぶりとなる。岡田彰布前監督(50)時代は敬遠された作戦だが、新生阪神は高校野球に負けない泥臭い作戦で得点を奪いにいく。

 一塁ベース付近に待機していた走者役のナインが、小走りに三塁に回った。投球と同時にスタートを切り、打者はバントの構えに移る。本格的なスクイズ練習。教科書や指導書に載っているプレーではあるが、阪神のキャンプ地で行われるのは03年シーズン以来、6年ぶりとなる“珍事”だった。

 午後の特打時間帯に、関本、平野、藤本ら野手9人が集められた。打者と走者に分かれ、実戦の状況を設定したケース打撃特打を行った。走者を一塁か二塁に置いてのバント、バスター、エンドランの右打ちなどが、これまでの定石。だがこの日は、自然な流れで走者三塁からのスクイズを徹底させた。

 「そろそろ練習試合や紅白戦など実戦の動きが始まってくる。ただ打つだけなら結構数もこなしているので、これからは細かな動きも入れていかないとね」

 二塁後方や三塁コーチャー、打席後ろなど細かく立ち位置を変えてにらみをきかせた真弓監督が、スクイズ練習の意図を説明した。あくまで実戦での実行を念頭に、打者にも走者にもスクイズを経験させた。

 山脇コーチは「練習していなければ、試合でサインを出せない。スクイズだけでなく、いろいろな形で点を取れないとだめ」と補足した。打撃投手は変化球やウエストボールを交え、実戦スタイルにこだわった。一通りスクイズを終えると、今度は犠飛狙いの飛球打ち上げやゴロを打った際の本塁突入などを確認した。

 04年から5シーズン指揮を執った岡田前監督は基本的にスクイズ策を否定した。6年ぶりとなるキャンプでの本格的なスクイズ練習に、ナインは最初は戸惑いながらも徐々に決めるようになった。藤本は「ウエストされたら足が動かなくて空振りした。練習だけでなく、試合で決めないと意味がない」と引き締めた。

 真弓監督は就任以来、なりふり構わず得点力アップに励む。主軸の本塁打増や、チーム全体での走塁、盗塁の充実をうたい、練習を積ませている。大技小技に磨きをかける真弓改革のシンボル的な作戦が、スクイズ敢行とも言える。泥臭く、がむしゃらに点を奪う。宜野座キャンプの最終クールに繰り広げた高校野球さながらの練習は、ライバル球団への宣戦布告でもあった。【町田達彦】

 [2009年2月15日12時1分

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