<オープン戦:日本ハム5-9中日>◇1日◇名護

 中日堂上剛裕外野手(23)、直倫内野手(20)の「兄弟弾」が飛び出した。

 8回、先頭の3番剛裕が日本ハム金森の内角高め直球を右翼席に放り込む。4番新井が四球の後、今度は弟の直倫が、初球カーブを左翼場外へ完ぺきに運んだ。「狙っていたわけではないですが(兄に続いて)僕も打てればいいなと思っていました」と直倫。20日の練習試合に続くアベック弾。兄弟の同一試合での本塁打は、公式戦では50年の加藤兄弟(近鉄)、78、81年のリー兄弟(ロッテ)の2組だけ。70年以降のオープン戦では初の快挙だった。

 練習試合を含めれば3発目と好調な直倫に対し、内角球を打った剛裕の1発には特別な意味があった。昨秋キャンプ、落合監督は剛裕の打撃を見ながら「決定的な弱点がある限り1軍では通用しない」と指摘した。剛裕にとって越えなければいけない壁だった。

 北谷キャンプはともに2軍で過ごした。実戦のたびに1軍へ呼ばれる“招待選手”は結果を出して生き残るしかない。3日からのナゴヤドーム6連戦は主力が優先して出場予定だが、再びチャンスは訪れるはず。沖縄を離れる間際に放った28年ぶりの兄弟アベック弾は「堂上物語」の序章にすぎない。【鈴木忠平】

 [2009年3月2日9時4分

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