<日本ハム9-0中日>◇12日◇札幌ドーム
待ってました。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、復帰登板で快投を見せた。中日戦に先発し7回3安打無失点で、5月1日以来の5勝目をマークした。右ひざのコンディション不良で1度登板を回避し中13日となったが、7三振を奪うなどブランクを感じさせない内容。防御率を1・55とし、広島前田健太を抜き、両リーグ通じてトップに立った。交流戦の優勝は消滅したが、4本塁打など15安打の大勝で連敗を2で止めた。
幸せそうな笑みをたたえ、ベンチを飛び出した。ダルビッシュがさっそうと、お立ち台へ向かった。登板5試合、42日ぶりの白星。長かった5勝目をつかみ、チームの札幌ドームの連敗を5で止めた。エースは仕事を完ぺきに遂げた。「大きい1勝?
そんなに大きくない」と感情を抑えるように、はにかんだ。
小休止を終え、力強く再出発した。当初登板予定だった5日巨人戦の先発を回避。右ひざのコンディション不良が要因の1つだった。10日ヤクルト戦に最初は照準を合わせたが、万全を期してカムバックの舞台を設定。ウエートトレなど「濃いメニューができた」。いずれも強行登板は可能だったが、はやる気持ちを抑え、事態の収束に専念した。勇気ある決断を、この日の伏線にした。
メンテナンスを終え、豪快に大黒柱の姿へ戻った。序盤の大量援護を背に、最速149キロの直球に、スライダー、カーブなどの変化球のキレで押すパワー投球が戻った。打者25人のうち、3球以内で勝負を決めたのが12人。7回をわずか84球と、リズミカルに試合をつくった。4回の無死二塁のピンチでは、ブランコから3者連続三振。メリハリを効かせ、自在に支配した。
勇気ある変化も選び、トンネルから軽々と抜けた。この日はユニホームを一新。体にフィットするタイトなタイプを好んでいたが、9日からのヤクルト2連戦で1サイズ、大きくした。繊細な感覚が狂うかもしれないが、恐れなかった。進化しようという欲求を象徴する衝動が、ややブカブカの戦闘服に表れた。父ファルサさん、紗栄子夫人ら家族も総出で見守っていた。「気持ちを切らさず、切り替えて臨めた」。羽を休め、また目指す高みへと飛び立った。【高山通史】
[2010年6月13日14時6分
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