<横浜2-11阪神>◇18日◇横浜

 「黒虎」がまたもキバをむいた。阪神が今季4度目の1試合5本塁打を浴びせて横浜に圧勝。5回には2死走者なしから、鳥谷敬内野手(29)が13号ソロ、さらにクレイグ・ブラゼル内野手(30)がこの日2発目となる37号2ランをバックスクリーンに放り込み、トドメは林威助外野手(31)が2打席連発となる3号3ランの1イニング3発で一挙6得点。17日から黒い復刻ユニホームを身にまとい4連勝と勢いは加速。中日に負けた2位巨人に2ゲーム差をつけた。

 「ダイナマイト軍団」が5発の花火を打ち上げた。黒い“戦闘服”を身にまとえば、迫力が倍増する。3点リードの5回2死一塁。ブラゼルが本塁打王を争うラミレスに1本差と迫る37号2ランをバックスクリーンに突き刺す、推定飛距離は145メートル弾だ。

 「どれだけ飛ばしてもホームランは1本。でも、アライさんの顔を見て思わず笑ってしまったよ。彼は良い人間だからね」と笑った。ホームベース付近で新井と顔を見合わせてムフフ…。自然に笑みがこぼれるほどの喜びを感じていた。2回無死一塁からは同じ小杉のカーブに泳がされることなく、右中間席上段へ先制の36号2ランも放っており、この日2発。まさにダイナマイト打線の火付け役となった。

 主砲が点火すると、全体にも波及する。8番林威助も2発。一度火が付いたら止まらない、まさに「ダイナマイト打線」だ。真弓監督も「打てない時期から抜け出して当たりが出てきている。勢いをつけていきたい」と納得の表情だ。

 48、49年当時のユニホームを着て2戦目。「グレートセントラル」と称して17~19日、24~26日限定で着用する。厳密には濃紺だが、見た目は「黒」。17日は17安打12点で逆転勝ちした直後、真弓監督が「最後まで着るか」と冗談めかして言ったが、この日も14安打11点。しかも今季4度目の5本塁打と、強力打線ぶりを見せつけた。4連勝で2位巨人に2ゲーム差をつけた。真夏の闇夜に身を隠し、「黒虎」が忍者のように疾走している。【佐井陽介】

 [2010年8月19日9時15分

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