節分の日に鬼が出た!

 中日落合博満監督(57)が3日、投手陣のランニング練習に乱入。自らタイムキーパーを買って出ると、厳しいノルマと罰走を課すなど、選手をいじめ抜いた。

 北谷公園陸上競技場に戦慄(せんりつ)が走った。投手陣のランニングに落合監督が突然、姿を見せた。普段の和気あいあいとした空気は一変。トレーニングコーチからストップウオッチを奪った指揮官は自らタイム測定係となり、800メートル走のノルマをそれぞれの選手に設定した。クリアできなければ、罰としてもう1回という地獄のランが始まった。

 「遅いなあ~、何やってんだ、おめえは!」。「だめだ、こりゃあ!」。鬼指揮官の強烈なヤジが飛ぶ中、選手たちは必死の形相で走った。ゴール地点ではサディスティックな笑みを浮かべた“鬼”が待ち構えている。それぞれの選手の走力に合わせたぎりぎりのノルマが設定されているため、まったく緩めることはできない。走り終えた選手は次々に倒れ込んだ。

 この限界ぎりぎりの800メートル走を各選手が3本ずつ。「いいから、早くいけ!」。落合監督に尻をたたかれながら走り切った。結局罰走となったのはチェンだけ。「いいな、チェンはたくさん走れて」。先発の柱となる左腕は指揮官の冷笑を浴びながら、やっとの思いで最後の1本を走った。

 「オレは何もしません」。キャンプ前にそう宣言していた落合監督だが、節分の日に突如「鬼」に変身した。これも連覇の原動力となる投手陣への愛のムチなのか?【鈴木忠平】

 [2011年2月4日10時28分

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