オレが引っ張る!

 阪神久保康友投手(30)が15日、沖縄・恩納村のホテルで契約更改交渉に臨み、9200万円増の1億8000万円でサイン。チームの先発陣最高年俸となった14勝右腕は昨年辛酸をなめたナゴヤドームで中日を倒すことを目標に掲げた。

 「昨年は中日にナゴヤドームで負けた。最後は1ゲーム差と惜しかったが、僕の中では完敗だった。悔しい思いがある。名古屋でリベンジしたい」。

 昨年、阪神はナゴヤで2勝10敗。首位中日を1・5差で追う9月21日からの3連戦では2連敗し、V逸の決定打になった。2戦目は久保が8回無失点と好投しながら、降板後の9回にサヨナラ負け。阪神が本当に強く、優勝できるチームになるために言わずにいられなかった。

 「選手は認めたくないと思うが潜在的に苦手意識があると思う。自分をコントロールすることです。普段できることが、あの球場でだけはできないなんてあり得ない。意識しないか、意識しても結果を出せるように取り組んでいかないと。要は心の問題です」。

 久保自身は同球場で昨年0勝1敗ながら「苦手意識はない」。敵地で明らかに浮足立つ、がんじがらめになる仲間の姿に違和感をもった。「1人1人が考えて、自分の能力を出すことを一番にやっていかないと」と厳しく言った。今季の開幕投手筆頭候補に挙がるエースとしての自覚だ。

 夕方に契約交渉を控えたこの日もブルペンで気合たっぷりに55球を投げた。6年ぶり優勝へ避けられない壁。久保はチームの先頭に立ち、鬼門突破の先導役になる意気込みを示した。

 [2011年2月16日11時12分

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