弾丸ライナーで、闘将・星野監督に強烈アピールした。楽天銀次内野手(22)が16日、沖縄・久米島キャンプの紅白戦に先発出場。5回1死二塁で、右翼ポール際に2ランを運んだ。第1打席では、ドラフト1位左腕・塩見貴洋投手(22=八戸大)から左前にクリーンヒットを放ち、3打数2安打。持ち前の打力で、1軍昇格を引き寄せた。

 「ランナーが二塁にいたので引っ張ろうと思ってました。高めの真っすぐをうまくとらえることができて、入っちゃいました」と人懐っこそうな笑顔で話した。弾道は低かったが、レフトからライト方向に吹く強風にも乗り、鋭い打球はあっという間にフェンスオーバー。思いきりのいいスイングに、一冬でたくましく成長したパワーを上乗せして、結果を出した。

 荒行の成果が出た。昨年12月、ふんどし一丁で滝に打たれ、心を鍛えた。捕手から内野手に転向して勝負の2年目。昨季は故障離脱するまで、イースタン・リーグで首位打者を独走した。メジャー帰りの松井稼、岩村が加入して、競争は激しいが「昨日の紅白戦でもヒットを打って、連日アピールできた。今は2軍ですけど、1軍のオープン戦に帯同したい」と決意を語った。極寒の冬にわずか5度の水温に耐えた精神力で、1軍切符をつかみとる。【柴田猛夫】

 [2011年2月17日10時6分

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