楽天鉄平外野手(28)が、球団の初代主将に就任した。18日の練習前に全選手の前で発表された。17日の練習後、星野監督の部屋に呼ばれ言い渡された。球団創設7年目で初めて設定されたポスト。選手の前で「このたび…」と切り出し「政治家じゃないんだから!」と突っ込まれた鉄平は「光栄極まりない。できることなんて、たかが知れてる。パイプ役を果たす。みなさん慎重にお願いします」と謙虚に所信表明した。

 一致団結し1年を戦い抜くため、首脳陣がキャプテン制導入を検討。満場一致で鉄平に決まった。男は黙って、を地でいくタイプ。指名がなくとも早出、居残りの特打、特守を繰り返す姿は鉄平にとって普通だが、スタッフには頼もしく映った。星野監督は「アイツしかおらんやろう。仕事だから」。田淵ヘッド兼打撃コーチは「練習をよくするし、結果も出す。1つの“ライン”を作る中で、中心となってもらいたい」と説明した。山崎らベテラン、松井稼、岩村らの移籍組、田中ら若手を融合させる。チーム構成上のバランスを考えても適任だった。

 中日時代、星野監督の下で主将を務めた仁村徹作戦コーチはこう言った。「勝つため、何を優先させればいいか考えてもらいたい。口は達者じゃないかも知れないが、これも勉強。まとめてほしい」。背中で引っ張る今まで通りの姿勢を通せば、仲間はついてくる。筋の通った野武士集団ができあがる。【宮下敬至】

 [2011年2月19日9時7分

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