楽天田中将大投手(22)が今季、フォークボールを封印することが分かった。沖縄・久米島キャンプ最終日の19日もブルペン投球。今キャンプ球数合計は862に達したが、フォークの練習を行わず終えた。140キロ台のスプリットを勝負球にあてがう。目標は3月25日、本拠地ロッテ戦の開幕投手だ。

 久米島ラストは外角いっぱい直球だった。いい笑顔の総括は「順調と思います」で下地はできた。実は、勝負球のフォークの調整に取り組んでいない。「今年は投げません。投げ損じは、去年を振り返ると打たれる比率が高い。スプリットでいきます」と決断していた。スプリットは140キロ前後、カットボールの軌道を縦に変換したように、小さく鋭く落ちる。「低めからボールゾーンへ。リスクが減る」と、重点的に練習してきた意図を説明した。

 開幕投手の座をつかむか。相手ロッテは岩隈が無類の好相性で、次カードのソフトバンクは田中が好相性。だが佐藤投手コーチは「相性は考慮しない」とし、「1年、軸で回ることができるか」「野手の信頼をしっかり得ることができるか」と条件を並べた。22歳の馬力と、自軍も鼓舞する闘争心がある。オープン戦は26日の中日戦(北谷)から登場。「開幕を目指して頑張ります」で結んだ。スプリットの精度を極めた先に初の栄誉がある。

 [2011年2月20日12時28分

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