<オープン戦:巨人1-1楽天>◇20日◇那覇

 開幕ローテ入りへ向け、古巣相手に課題の残る51球だった。楽天栂野雅史投手(26)が、巨人とのオープン戦に先発。星野楽天の対外試合“開幕投手”を務め、4回を1安打1失点に抑えた。それでも、2回までに与えた3四球を反省した。

 栂野に笑顔はなかった。4回2死走者なし。巨人長野へカウント1ボールからカーブを投じ、三直に仕留めた。3回、4回とテンポよく連続3者凡退。だが、降板後は「もっと早い回から修正しないと。1安打に抑えたことより3四球に悔いが残ります」と反省の言葉を続けた。

 初回、先頭松本に四球を与えた。フルカウントから外角低めいっぱい。惜しくもボールに取られ、先制を許す失点につながった。続く2回も失点こそしなかったが2四球。3回からと対照的なだけに、栂野自身、悔いが残った。

 気合はマックスだった。星野楽天の最初の対外試合で先発。しかも、昨季途中まで所属した巨人に投げた。「相手が相手なんで気持ちは高かったです」。球場入りすると懐かしい仲間とすれ違った。金刃、西村、越智、山口…。軽くあいさつは交わしたが、すぐに勝負師の顔へ。小雨の中、グラウンドでダッシュを繰り返し最後の調整に努めた。

 高まる気持ちをぶつけた。1回1死二塁では小笠原に2球内角を続け、最後は外の変化球で遊ゴロ。随所で、かつてのチームメートの内角をえぐった。「内を突かないと抑えられない」と果敢に攻めた。ただ、4回で3四球。結果は正面から受け止めた。「今年は勝負。ローテを勝ち取ると思って、次にチャンスがあれば初回から3、4回の投球をしたい」と前を向いた。【古川真弥】

 [2011年2月21日11時9分

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