楽天山崎武司内野手(42)が星野監督の“伝書バト”になる。87年に中日に入団してから11年間、闘将のもとで野球観をたたき込まれた。監督の性格を知り尽くすだけに「監督はベンチでどんどん気持ちを出すけど、言わせるようじゃダメ。監督の気持ちを分かって、その前にパッと動けないと」。再会したチームで最年長の42歳。求められる役割を自覚しての言葉だった。

 指揮官の思いをくみとり、代弁するためには“ブランク”を埋める作業が必要だ。キャンプインから現在も2軍で調整。実戦で接する機会がまだなく「一緒にベンチにいて雰囲気というか、においを感じるには最低5、6試合には出ないといけない」と逆算する。中日時代からの“変化”にも対応するには、身近にいて肌で感じるしかない。例年通り3月中旬に1軍合流予定だが、これまで以上にアンテナを張りめぐらせ、素早く行動するための準備期間にあてる。

 チームで唯一「4番」に指名された主砲としても、ピッチを上げてきた。沖縄・久米島に残り、連日のランチ特打を行った。「監督はやるべきことをやれば問題ない。ただ何をすれば嫌がるかは変わってないと思う。選手からなかなかコミュニケーションをとるのは難しいだろうしね」。パイプ役ができる選手は他に見当たらない。新主将の鉄平、選手会長の嶋をサポートしつつ、闘将イズムを浸透させる。【柴田猛夫】

 [2011年2月22日7時48分

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