楽天の先発ローテ争いで、2年目右腕がググッと浮上した。戸村健次投手(23)が22日、韓国サムスン戦(赤間)に2番手で登板。3イニングをソロ1発に抑え、毎回の5三振を奪った。昨季のドラ1ルーキーは「先発をやりたいんです」と強い思いを口にした。

 温厚な人柄そのままの外見とは裏腹に、最速146キロの直球を遠慮なく投げ込んだ。「内角をいかないとアピールにならない」と、コリアンパワーをきりきり舞いさせた。

 6回には先頭打者を1ボール1ストライクから胸元の球でのけぞらせ、続いて外角ストライク。最後は内にズバッと142キロで見逃し三振を奪った。変化球も効いた。「低めに投げたらそうなった」と、曲がりが小さくなったスライダーでカウントを稼いだ。オフの自主トレで7キロ増えた体が頼もしかった。

 星野監督は「もう少し直球で攻めてもいいが良かった」と及第点。佐藤投手コーチも「腕が振れていた」。先発5人構想で岩隈、田中は堅い。残り枠を巡る競争は激しいが、戸村に引く気はサラサラない。「(本塁打を打たれた)チェンジアップの精度を上げないと」と油断なく次を見据えた。【古川真弥】

 [2011年2月23日12時42分

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