3・9にも実戦復帰!

 右肩痛からの復活を目指す阪神金本知憲外野手(42)が、早ければ3月9日のオープン戦楽天戦(甲子園)で実戦復帰するプランが25日、浮上した。真弓監督が復帰時期についての見通しを示した。引退覚悟で臨む背水の今季、かつての恩師・星野監督との対決から出陣することになりそうだ。

 春を思わせる陽気の安芸。メーングラウンドで一本締めの輪がはけた。右肩痛と戦う金本の長く辛いリハビリも一区切り。3・25開幕まで、残り1カ月。実戦復帰のタイミングは?

 オープン戦出場は甲子園からかと問われ、指揮官は確かな方向性を示した。

 真弓監督

 話し合って、その辺か、そのあとぐらいからと思う。

 オープン戦の甲子園初戦は3月9日楽天戦。DHや代打など打撃限定での出場となる見込みだが、舞台としては申し分ない。最短ルートをたどれば、かつての恩師・星野監督の前での復帰になる。阪神入りした際の縁を考えれば、引退をかけたシーズンの“出陣式”にふさわしい日だ。

 来るべき日に向け、時間は無駄にできない。全体メニューを終えた後、金本は安芸ドームに直行。真弓監督が見守る中、キャッチボールで患部の状態を確かめた。最長約30メートルの距離で46球。投球後、話し合った。

 金本

 ステップを踏んだ時にどういう球を投げられるか、です。

 真弓監督

 どういう体勢で投げられるか、やな。

 慎重に右肩をチェックし、次のステップを確認。金本自身「何もしていません。リハビリだけです」と説明したキャンプに終止符を打った。

 右肩は靱帯(じんたい)が完全断裂している。限りなく苦しい状況から始まったリハビリだが、打撃面ではすでに屋外フリー打撃、特打を再開している。

 金本

 バッティングはかなり力が入ってきた。バッティングのリハビリは最後の方、かなりできたので良いと思うんですが、投げる方がちょっと…。日によって全然違う。安定すればグラウンドでスローしたいんですが。(開幕に向けて)プランも何も、どれだけ投げられるか、だけ。ある程度、普通のキャッチボールで強いボールを投げられるまでは、まだ(その後の)見通しを立てられない。

 焦点はどれだけ投げられるか-。ただ、向かう道のりは明確。指揮官は「金本のペースじゃないかと思う」と納得顔だ。キャンプ中は取って投げてという、シートノックなど実戦形式の送球練習は行わなかったが、これも想定内。山脇守備走塁コーチは「最初からその予定。3月の中盤から予定している。キャンプは予定通りに来ている」と問題なしを強調した。

 金本

 (目標は)1年間元気でやる。それだけ。

 3・25開幕に向け、迫り来る時の流れに負けられない。鉄人の復活ロードが、雲1つない青空に浮かび上がってきた。

 [2011年2月26日11時7分

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