<オープン戦:オリックス0-4阪神>◇27日◇春野

 やばい、ロッテに取られちゃう!

 阪神4年目の高浜卓也内野手(21)が27日、オリックス戦(春野)に7番三塁で先発し、オープン戦初安打を含む2安打を放った。小林宏のFA移籍で人的補償も検討しているロッテの編成陣が鋭い視線を送る中、重圧知らずの大活躍。虎党はもう気が気じゃない!

 積極果敢に。高浜は4年目のポリシーを貫いた。追い込まれる前に好球必打。高知の虎党に首脳陣に、そしてロッテに!?

 存在を印象づけた。

 高浜

 ずっとケガばかりしていたので、野球をやっている姿を一生懸命見せようと思っています。

 3回、先頭でオリックス寺原を打ち負かした。1ストライクから内角高め144キロ直球をひっぱたき、右翼線を破る二塁打。4回2死三塁ではマクレーンから右前適時打を放ち、3点目をたたき出した。3打数2安打1打点。1失策を猛省もアピールは十分だ。腰に首、両すねと、故障に泣き続けた姿はもうない。弱気な心に別れを告げ、表舞台に飛び出した。

 高浜

 積極的に、です。調子は良くないけど、悪いからと言って当てに行きたくないので。今までの僕はあまりに消極的だった。自分のそこを変えたかった。

 ただ、虎党は手放しでは喜べない。小林宏のFA移籍で人的補償も検討するロッテの松本編成統括、佐藤編成調査、諸積編成担当の3人がネット裏最上段から9イニングを視察。高浜もチェックしたもようだ。

 松本統括

 うちも故障者が出ているから、現場の監督がどう判断するか。この時期に個人名を申し上げることは出来ませんが、この時期は若い選手が1軍目指して力を出す。そういう意味で、高浜君を含めて頑張っている若手を見ることができました。

 人的補償か金銭かは、ロッテ西村監督の腹次第。1日に報告を受け、方向性が決まる見込みだ。客観的に見れば、過去3年間1軍経験がなく、今春の紅白戦まで目立った活躍もない高浜が、28人のプロテクトリストを外れている可能性は高い。しかも、今春紅白戦、オープン戦計6試合で14打数8安打と一気にブレークしたとあって、お買い得感は際立つ。阪神沼沢球団本部長は「我々はまな板の上のコイですから」と話してきたが、決断を伝えられるときは近づいている。

 それでも高浜は、自然体を強調した。

 高浜

 簡単にはいかない。オープン戦でしっかり良い結果出さないと。2軍の試合にも全部出ていないのに、まだ1軍を考えられない。まずは野球を1年間やることしか考えていない。

 遠い夢だった開幕1軍へ、周囲の雑音は気にしない。青空の下、目いっぱい野球できる幸せを感じている。

 [2011年2月28日10時40分

 紙面から]ソーシャルブックマーク