<オープン戦:オリックス0-4阪神>◇27日◇春野

 阪神鶴直人投手(23)が、昨年のパ本塁打王、オリックスT-岡田を封じ、先発ローテーション入りにまた1歩前進した。オリックスとのオープン戦で4回から登板し、3回を1安打1三振無失点。5回2死からT-岡田を、この日最速143キロストレートで二ゴロに打ち取った。

 「とにかくゼロに抑えたかったし、内容にもこだわりがあった。143キロはしっかり腕を振れた結果だと思います。(岡田は)意識したわけではないけれど、力が入りました」

 近大付3年の05年、ともに「ナニワの四天王」と呼ばれ、ともに1巡目でプロ入り。感慨もあるが、1軍先発枠入りを狙う鶴にとっては本塁打王との対戦は自分を鼓舞し、首脳陣を刺激する材料。昨年6月5日の交流戦(甲子園)での初顔合わせでは2打席連続四球だった。消化不良の対決から一転、力で沈黙させた。

 助言をくれるのが藤川だ。2回を無失点に抑えた21日の紅白戦登板前「シュート使わずに抑えてみろよ」と言われた。だが「2イニング目で『シュート投げさせて下さい』と泣きを入れてなあ」と、山口投手コーチは苦笑まじりに明かした。同コーチは「シュートという武器を身につけたのはいい。だがアウトローへのストレートをもっともっと磨いてほしい」と、高い期待をかけているからこその苦言を呈した。

 真弓監督も「よかったんじゃないか」と評価。「これからもしっかり結果を重ねて行きたい」。鶴の前進は続く。

 [2011年2月28日10時41分

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