カープに衝撃が走った。広島大竹寛投手(28)が右手骨折で長期離脱することが30日、分かった。28日の日本ハム戦(札幌ドーム)で右手に打球が直撃。群馬・館林市内の病院で診察を受け「右手小指基節骨粉砕骨折」と診断された。4週間の患部固定など、回復まで長期間を要する。戦列復帰は夏場以降になる見込みで、チームにとって大きな痛手だ。

 恐れていた最悪の事態が現実になってしまった。先発ローテーションの柱として期待されていた大竹が想定外のアクシデントで長期離脱を強いられる。

 群馬・館林市内の病院で診察を受けた。球団からは「右手骨折」と発表された。上位進出を目指すチームにとってもショッキングな診断だった。

 約4週間、ギプス固定したあとにリハビリを開始。握力を取り戻す作業を行うかたわらで失われた右肩の「投げる筋力」も回復させないといけない。キャッチボール、遠投、ブルペン投球…。プレー再開までのハードルは多く、戦列復帰は夏場以降になる見込みだ。

 今季2度目の先発だった28日・日本ハム戦で悪夢に襲われた。2回に稲葉の強烈なライナーが右手を直撃し、緊急降板。試合中に札幌市内の病院で診察を受け、29日に1軍選手登録を抹消されていた。

 無念の故障だ。昨年2月の春季キャンプで右肩を痛め、1軍戦3試合登板にとどまった。今年も右肩のリハビリに慎重を期し、21日のオリックス戦(京セラドーム大阪)でようやく今季初登板にこぎつけていた。先発して5回1失点。投球は安定し、先発陣の軸として計算された直後だけに、上位進出を目指すチームにとってもダメージは大きい。

 大野投手チーフコーチは前日29日に「いい形で戻ってきただけに、チームにとって痛い」と嘆いた。先発陣はエース前田健が本来の調子を取り戻しつつあり、新外国人のバリントンも4勝をマーク。ここに年間2度10勝を挙げている実績派の大竹を加え「3本柱」で戦いを進めていく計算だった。野村監督も28日の試合直後に「良くないかもしれない」と表情を曇らせていたが、不安は的中してしまった。剛腕が復帰するのは夏の盛りごろか。頼もしい「戦力」として迎えるためにも、チームの上位キープが大切になる。