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シート打撃で岸から右前打を放つ中島（撮影・鹿野芳博）

＜ＷＢＣ：宮崎合宿＞◇２日目◇１７日◇サンマリンスタジアム

　西武中島裕之内野手（２６）が“猛打賞”でムネリンにプレッシャーをかけた。ＷＢＣ日本代表候補は１７日、今合宿初のシート打撃（カウント１－１の設定）を行い、Ｂ組の２番遊撃に入った中島は３打数３安打、１四球ですべて出塁した。うち２安打は右方向と持ち味を発揮した。５打数無安打だったソフトバンク川崎宗則内野手（２７）に差をつけ、定位置争いで先行した格好だ。

　３安打のうち右方向へ描いた２本が好調のバロメーターだった。中島はまだ手のひらに残る感触を思い出しながら口を開いた。「練習でやっている、コースに逆らわない打撃ができました。実戦に入って少しだけど、しっかり準備はできている。３安打？　毎日少しずつアピールしたいですね」。シート打撃で３打数３安打。“猛打賞”は中島と青木だけだった。

　「一流選手と練習することはめったにないので楽しんでやっています」。楽観的に言うが、真剣舞台をにらんだプレーの連続だった。岩村と小笠原に挟まれたＢ組２番で出場。岸との西武対決は四球を選び、仕切り直しの第２打席で右前打を放った。渡辺俊からも同様のヒット。西武の打撃練習では時間の大半を右打ちに割き、一、二塁間に立てられた防球ネットを狙うことも。逆方向に強い打球を飛ばせる能力は、ストライクゾーンが外角に広いとされる国際試合で大きな武器になるはずだ。

　左の山口と対戦した最終打席は外から中に入る変化球を引っ張った。走塁でも岸の暴投の間に「行けるんと違うかなとトライした」と、二塁から一気に本塁を狙った。アウトになったが貪欲（どんよく）に先の塁を狙う姿勢をみせた。この日Ａ組の遊撃に入った川崎は５打数無安打。レギュラー争いで、まずは中島が１歩リードした。

　シート打撃全体について原監督は「コンディションがいいから呼んでいる。評する必要はないでしょう」としたが、中島には「守りの意識を高く置いているようです。うまくなっている。バッティングは言うことはありません」と言い切った。直前の西武キャンプでほとんど守備練習しかしていない中島が、努力の跡を認められた。３安打以上にグッと自信を深める言葉をもらった。【押谷謙爾】

　［2009年2月18日11時0分　紙面から］

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中島裕之

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