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２回裏、福留は巨人金刃（左）から満塁本塁打

＜ＷＢＣ・練習試合：日本代表１３－１巨人＞◇２２日◇サンマリンスタジアム

　ＷＢＣ日本代表候補が１３－１（７回雨天コールド）と大勝した。７番福留孝介外野手（３１＝カブス）が２回に満塁弾、９番岩村明憲内野手（３０＝レイズ）が５回に３ランを運んで、メジャー組の貫禄（かんろく）を見せつけた。原監督が思い描く“３分割打線”の下位打線が爆発し、合宿最終日を最高の形で終えた。日本代表は２４、２５日にオーストラリアと強化試合（京セラドーム大阪）を行う。

　「ディス・イズ・メジャー」だ。雨が降り始めた宮崎の空を、２人の打球が切り裂いた。カブスでは中軸を担う福留とレイズでは不動の１番の岩村。合宿の打ち上げにふさわしく、サムライたちが巨人の投手陣をメッタ打ちにした。

　まずは７番に入った福留が豪快なグランドスラムだ。２回、稲葉、村田の連打と四球で無死満塁。打席では「最低でも外野フライを」と言い聞かせた。巨人金刃の高めに入った速球を右翼席に運んだ。

　福留　日の丸のユニホームを着てプレーをするのは誇りだと思っている。若い選手が多くて勢いがある。もう少し精度を上げていきたい。

　逆境にはめっぽう強い男。０６年前回大会でクリーンアップに座ったが、不振に陥って代打に甘んじた。しかし、準決勝の韓国戦では代打で決勝アーチを放って日本代表を世界一へと導いた。今年はカブスで２年目のシーズンを迎える。昨年１２月からバットを握ったのは、本人にとっては異例のことだ。昨シーズンは右ひじ手術の影響で、ひじを伸ばすことに恐怖感を覚えフォームを崩した。不振だった１年目の悔しさと、ＷＢＣ連覇への気持ちが、年内始動に向かわせた。

　その福留に続いたのは９番の岩村だ。５回２死一、二塁の場面で、西村健から右越えに３ラン。レイズでは昨年不動の１番で、万年下位チームを初のワールドシリーズ出場に導いた。

　岩村　打席の中で１球ごとに投手との間など感覚を取り戻しつつある。レイズの９番打者は常に１番につなごう、つなごうという意識でいるから、逆に９番の大切さも知っている。

　的確に置かれた立場と役割を結果で示した。どこからでも点がとれる恐怖の下位打線。特に福留、岩村のひと振りに象徴されるように、１発で仕留められるパワーは魅力的だ。連覇について福留は「最終的にできたらいいが、先を見るあまり足元をすくわれないようにしないといけない。目の前の勝ちに集中したい」と話した。海の向こうから帰ってきたサムライが“刀”を研いでいる。【寺尾博和】

　［2009年2月23日9時20分　紙面から］

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