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６回表西武２死一、二塁、金広鉉（中央）は黒瀬の遊ゴロに飛びつく

＜ＷＢＣ・強化試合：韓国４－２西武＞◇２日◇東京ドーム

　サムライジャパン最大のライバルに熱視線！　ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の日本代表首脳陣が２日、強化試合に初登場した韓国代表チームを視察。原辰徳監督（５０）は５人の代表コーチ陣を伴い、東京ドームで韓国－西武戦を観戦した。順当なら７日に対決が濃厚な韓国の左腕エース金広鉉（キム・グァンヒョン）投手（２０）がリリーフ登板したことがこの日最大の収穫。昨夏の北京五輪で星野ジャパンをきりきり舞いさせた高速スライダーなどを、しっかりとその目に焼き付けた。

　正午に始まったデーゲームで、原監督らはネット裏の関係者ブースでグラウンドに鋭い視線を送った。午後２時からは日本代表の練習が神宮球場で行われるため「２時間限定」。横には伊東総合コーチ、山田、与田両投手コーチ、高代内野守備走塁コーチが座り、観客席には緒方外野守備走塁コーチの姿もあった。原監督らが球場を離れようとしていた時、想定外の投手交代があった。韓国代表が５回表から３番手としてリリーフに送り込んだのは金。５日に開幕するＷＢＣでも日本戦での登板が有力視され、まさにグッドタイミングだった。

　前日に合宿先のハワイから来日したばかりで、直球に本来のキレがなく、５回には３連打であっさりと失点した。だが、北京五輪の日本代表に「消える」と言わしめた高速スライダーのキレは健在。６回、パ・リーグ本塁打王の中村との対決。初球にホームベースの手前でバウンドする明らかなボール球で空振りさせた。カウント２－１と追い込み、最後はまたもワンバウンドのスライダーで空振り三振を奪った。３回０／３を投げ６安打を浴びたが、調整登板と割り切っているようで「私は負けるのが嫌いなので、もし日本戦で投げたら勝てる投球をしたい」と自信満々に話した。

　金が２イニングを投げ終えたところで“時間切れ”となった原監督は「ノーコメント」と意味深な笑みを浮かべて神宮球場へと向かった。だが、伊東総合コーチは「最後に金広鉉を見られてよかった。今日は直球はあまり走ってなかったけど、腕の振りとかは躍動感があるね。参考になった」と、今後の分析に生かす考えを明かした。本番では“生グァンヒョン”から得られた情報を攻略のヒントに、サムライ打線が襲いかかる。　　　　　【広瀬雷太】

　［2009年3月3日9時9分　紙面から］

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