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外野で軽めの調整をした岩隈

　がけっぷちに追い込まれたサムライジャパンの命運は、１８日（日本時間１９日）のキューバ戦で先発する岩隈久志投手（２７＝楽天）に託された。第１ラウンド１、２位決定戦に続いて韓国に敗れた原辰徳監督（５０）は「再び挑戦権を得ることしか考えていない。明日全力で戦う」と静かに打倒キューバへの思いを語った。もう韓国戦の悪夢は忘れ、キューバを返り討ちにするだけだ。

　試合後のペトコパークは深い霧に包まれた。原監督が「初回の３点が非常に重かった」と振り返るように、立ち上がりですべて狂った。頼みのダルビッシュがいきなりの３失点。最後まで重く、重くのしかかった。第１ラウンドでも抑えられた奉に打線が力負け。城島の退場など、マイナス材料ばかりだが、指揮官はすでに気持ちを切り替えていた。

　原監督　結果的に打てなかったが、もはや反省の弁、対策といったところで始まらない。ミーティングをしてもう１度挑戦権を得る。韓国と戦うには明日のゲームに勝つことが前提になる。明日は全力で戦いたい。

　今大会からダブルエリミネーション方式となり、１、２位決定戦に勝ち上がれば韓国と再戦の可能性を残している。そのためにはキューバに勝たなければ、次がない。背水の戦いの先発に指名したのは岩隈だ。１５日のキューバ戦では、２番手として登板。７回の１イニングを無失点に抑えている。その降板直後にリリーフ役に回る可能性があることを言い渡された右腕が、中２日で背水のマウンドに登る。

　岩隈　もう負けられないので気持ちを入れて投げたい。何とか先発がゲームをつくって流れを持ってこれたら…。キューバは全体的にバッティングがいい。高めの甘いボールを投げないように注意したい。

　前回のキューバ戦では松坂が内角を意識させながら６回を０封している。岩隈も「松坂さんの投球を参考にして自信をもって投げたい」と締めくくった。先発、中継ぎ兼用のため調整の難しさはあったが、山田投手コーチも「精神面の強いピッチャーだし、立ち上がりを乗り切ってくれれば」と序盤に重点を置く。

　キューバに勝てば準決勝に進出できる。原監督は「キューバとは互角だと思っている。野球の勝敗は紙一重で勝ち負けが変わる。力の差があっても分のあるチームが負けることだってある」と、自らに言い聞かせるようにいった。がけっぷちに立たされたサムライジャパンだが、目の前に立ちはだかるカベを突き破れば視界は広がる。【寺尾博和】

　［2009年3月19日8時49分　紙面から］

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