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韓国を下して１位通過を決め、松坂（中央）は笑顔で藤川を迎える

　【サンディエゴ（米カリフォルニア州）１９日（日本時間２０日）】日本のエース松坂大輔投手（２８）が、２２日（日本時間２３日）の準決勝・米国戦に先発する。投げ合うのは０７年に１９勝を挙げてサイ・ヤング賞に輝いたジェイク・ピービ投手（２７＝パドレス）。日本は０６年の第１回ＷＢＣの２次リーグ初戦で対戦し、ピービからイチローが先頭打者本塁打を放つなどしたが、ボブ・デービッドソン審判の「世紀の誤審」もあり、３－４で敗れた。それ以来の因縁の対決だ。

　松坂の胸が高鳴る。世界に日本野球のレベルの高さを誇示するときが来た。第２ラウンド１組で１位通過を決めたことで、準決勝の相手は米国に決まった。待ち望んでいた戦いに松坂の気持ちが引き締まった。「打線はとにかくいい。それだけのメンバーがそろっていますから」。淡々と対戦相手の印象を語る口調に緊張感がにじんだ。

　米国の強さは、メジャー２シーズンで体感している。同僚のペドロイア、ユーキリスが故障離脱したが、破壊力抜群の戦力は見劣りしない。０７年のナ・リーグＭＶＰロリンズ（フィリーズ）、ヤンキース主将ジーター、Ｃ・ジョーンズに代わって緊急招集が決まった昨年のア・リーグ新人王ロンゴリアが並ぶ打線だ。

　松坂　これだけ戦って来た相手なのでどう攻めるべきか、どういう配球はいけないというのは分かっています。数多く良いものを出したほうが勝つと思う。

　投げ合う相手に不足はない。０７年に１９勝を挙げてサイ・ヤング賞を受賞したパドレスのピービとのマッチアップだ。常日ごろ「良い投手と投げ合うことは、僕のモチベーションを高める要素」と語る松坂だけに、自分の潜在能力を引き出す機会ともとらえている。準決勝からは先発の球数制限は１００球になる。１５日のキューバ戦から中６日のマウンド。通常シーズンでは中４日の調整に慣れているだけに、この日は入念にキャッチボールを繰り返した。

　試合後の松坂の表情が硬かったのは、もう１つ理由があった。同い年の村田が故障で戦線離脱となった。「ここまでよく打ってくれて、守りでも助けてもらった。シュウ（村田）も残念がっていたし、僕も悔しい。『シュウの分まで頑張るから』と伝えました」。２８人の結束力は固かった。村田がいたからここまで来られた。親友の無念を背負ったマウンドにもなる。【山内崇章】

　［2009年3月21日9時47分　紙面から］

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