石川の長所は、シンカーを自由自在に操れるところ。右打者の内角へはシュート気味に落とし、外角へは真っすぐに落とせる。甘いコースへの投げミスはほとんどない。シンカーの基本はストライクゾーンからボールゾーンに落とし、打者の空振りや打ち損じを狙うが、石川はストライクゾーンからストライクゾーンの中で小さく落とし、見逃しストライクでカウントを稼いだり、1球で仕留めることもできる。シンカーに頼り過ぎて失敗することもあるが、直球、カーブ、スライダーの制球もよかった。これなら球数制限のある国際試合でも不安はない。

 心配なのは、最初の登板が重圧のかかる開幕戦だという点。ロッテでも開幕戦は投げたことがないし、他のメンバーと見比べても、ビッグゲームでの登板が少ない。壮行試合に先発できる機会があればいいが、2番手での登板になりそうだと聞いている。ハードルは高いが、自分の投球さえできれば大役はこなせる。自分の能力を信じてマウンドに上がってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

 ◆里崎とWBC 06年の第1回大会で全8試合に出場し、7試合で先発マスクをかぶった。投手陣を支えた守備面だけでなく、2次ラウンドのメキシコ戦で2点本塁打を放つなど打撃でも活躍。打率・409、1本塁打、5打点の活躍で初優勝に貢献し、大会のベストナインにも選ばれた。