変わり果てた故郷の象徴的存在に、ひたすら驚いた。首里城の火災から10日以上がたった。沖縄・うるま市出身で沖縄勢唯一の関取、西十両10枚目木崎海(24=木瀬)は、10月31日に首里城が燃えたことを知人から教えてもらい「びっくりして言葉も出なかった」とあぜん。それでも「地元を元気づけるためにも、今場所は頑張らないといけない」と、すぐに前を向いた。

大学時代、故郷に戻って首里城に足を運んだことが1度あった。「小学校の頃も歴史で首里城について勉強した。懐かしかったですね」。沖縄の数ある観光地でも「1番はやっぱり首里城」。存在が当たり前すぎるため、そのときは写真も撮り忘れてしまった。「できたらもう1度つくってほしいです」。

場所後の12月14、15日には地元うるま市で冬巡業が行われる。7月後の名古屋場所後には沖縄に戻り、PRイベントに参加した。自己最高位で迎えた今場所は連勝で発進。首里城の焼失に悲しむ人たちのためにも「何かで役に立てれば」。新入幕を目指して、沖縄を活気づける覚悟だ。(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)