元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の次男、西序二段筆頭の鵬山(23=大嶽)が、今場所から大関貴景勝の付け人についている。埼玉栄高では1学年上の先輩という間柄。初土俵は昨年の春場所で、付け人自体も初めての経験で「緊張感を直接、肌で感じている。1つ1つの土俵に向かう動作を学んで、自分に生かせるようにやっていきたい」と、貴重な機会に感謝していた。

先場所までは今場所が新十両の弟、王鵬(当時のしこ名は納谷)が務めていた。2人の師匠、大嶽親方(元十両大竜)は「部屋に戻ってものんびりしているだけだからね(笑い)。高校の先輩だし、全く知らない人よりはやりやすいと思うよ」と話す。

王鵬は、貴景勝は幕下以下の力士でも特徴も把握しており、頻繁に適切な助言を送ってくれたと常々話していた。昨年8月には武隈親方(元大関豪栄道)らとともに、コロナ禍でインターハイが中止となった埼玉栄高の相撲部員に反物で作製したマスクとメッセージを送って激励するなど、母校愛は強い貴景勝。横綱昇進が懸かった今場所は白星こそ伸びていないものの、看板力士として若い衆の手本になっている。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

王鵬(右)は東白龍に押し出しで敗れる(撮影・柴田隆二)
王鵬(右)は東白龍に押し出しで敗れる(撮影・柴田隆二)