“手計(てばかり)兄弟”が角界で出世を目指す。8日目の新序出世に臨んだ埼玉栄高3年の琴手計(本名・手計太希、18=佐渡ケ嶽)は、幕内経験者で十両の琴勝峰(本名・手計富士紀、22=佐渡ケ嶽)を兄に持つ。細身ながら182センチ、121キロの体は筋肉質で、前相撲では3戦3勝。「体がまだ細いので、中に入って食いついていくのが持ち味。部屋の琴恵光関のような相撲を目指して、関取になりたい」と力強く語った。

高校2年時にプロ入りを意識し、3年生となった昨年10月の高校相撲金沢大会を制し実績を残して決意を固めた。父学さん(56)によると、同校保健体育科の入試を「2、3(位)くらい」で通過するなど学業も優秀。尊敬する兄を追うようにして、佐渡ケ嶽部屋に入門した。

兄の琴勝峰は、昨年春場所以来1年ぶりの返り入幕を目指している。一時は幕内で三役目前まで番付を上げた大器は西十両2枚目の今場所、8日目を終えて7勝1敗と好調。弟の存在に「自分より(アマチュアで)結果を残している」と期待を込めつつ「自分もうかうかしていられない」。兄弟で切磋琢磨(せっさたくま)していく。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

新序出世披露に臨んだ、前列左から、琴手計、東誠竜、大青山、若ノ勝、後列左から花房、薩摩翔、琴拳龍(撮影・河野匠)
新序出世披露に臨んだ、前列左から、琴手計、東誠竜、大青山、若ノ勝、後列左から花房、薩摩翔、琴拳龍(撮影・河野匠)
2019年、新十両昇進会見で琴手計から改名したしこ名を披露する兄・琴勝峰
2019年、新十両昇進会見で琴手計から改名したしこ名を披露する兄・琴勝峰