常盤山部屋に所属した元幕下太一山の矢ケ部克将さん(25)が切り盛りする「ちゃんこ居酒屋太一山」が活気に満ちている。昨年5月の夏場所を最後に現役引退し、大阪のJR北新地駅ほど近くの雑居ビルの一角にオープンして初めて迎える春場所。開催中は既に予約客でほぼ満席だ。

お客さんのお目当ては、大関貴景勝も絶賛した「とりしおちゃんこ」(1人用1500円)。常盤山部屋に伝わる味をベースにし、独自のアレンジも加えた逸品だ。濃厚なスープに浸された野菜、鶏肉、鶏団子は食欲をそそり、鍋のしめにラーメンやご飯を注文する人も少なくない。

「料理はセンス」と豪語する矢ケ部さん。現役時代は貴景勝や隆の勝らの付け人として、休みの日には自ら調理場に立って料理に腕を振るうこともしばしばあった。本人いわく“付け人もこなせるちゃんこ番”。開業してからまだ半年ほどだが、うわさを聞きつけて著名人も多数来店している。10席の手狭な店だが、今後さらに拡大も視野に入れる。「もっとちゃんこ鍋を身近に食べてもらえるようにしたい」と意欲満々だった。【平山連】

「ちゃんこ居酒屋太一山」名物のとりしおちゃんこ(撮影・平山連)
「ちゃんこ居酒屋太一山」名物のとりしおちゃんこ(撮影・平山連)
厨房に立つ元幕下太一山の矢ケ部克将さん(撮影・平山連)
厨房に立つ元幕下太一山の矢ケ部克将さん(撮影・平山連)