“怪物”は健在だった。メインイベント(第8試合)でONE SAMURAIフェザー級(-155ポンド=約70.3キロ)キックボクシングトーナメント準々決勝が行われ、元ONEフェザー級キックボクシング暫定世界王者の野杁正明(33=team VASILEUS)が1回2分59秒KOで、24年12月に判定負けしているリウ・メンヤン(23=中国)にリベンジを果たした。
2人は立ち上がりから至近距離でカーフキックやパンチをたたき込み合い、バチバチの戦いを展開。その中でも昨年11月にスーパーボンとの王座統一戦に敗れてから徹底的にフィジカルを強化し、泣くような練習を重ねてきたという野杁が攻勢を強めていった。ひざ蹴りでボディーへのダメージも与えながら、最後は強烈な左フックでリウをマットに沈めた。
盟友・武尊氏が「ONE SAMURAI 1」のメインでロッタンに勝利してベルトを獲得し、大会を大成功させた。「2」のメインを任された野杁にかかる重圧は小さくなかった。
野杁は「2」の最後を衝撃KOで締めくくり「本当に『良かった』しかないですね。大会前に『カードが弱いんじゃないか』とか『どうなんだろう』という声がすごく多くて。正直、心配もありました。でも終わりよければすべて良しじゃないですけど、僕が締めれば大会も成功だったと思ってもらえると思っていたので。良かったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
野杁は1500万円という破格のパフォーマンスボーナスもゲット。海人に勝利したシアサラニとの準決勝へ向け、「もちろんトーナメントで優勝して、(王者の)スーパーボン選手に挑戦してリベンジして、ONEのフェザー級キックボクシングのベルトを巻くのが今の一番の目標なので。そこへ向けてまたクリアしていきたい」と意欲を見せた。
準決勝は野杁VSシアサラニ、グレゴリアンVSルオ・チャオとなった。ONEのチャトリCEOは準決勝以降の予想を聞かれると「決勝は野杁とグレゴリアンになると思う。グレゴリアンは世界有数の選手だけど、野杁が今夜のような戦いができれば勝つ可能性も高い。何試合も野杁の試合を見てきたが、今日見せたKOパワー、積極性、タイミング…彼の全キャリアでベストだったと思う。レベルアップしてゾーンに入った野杁が油断せずにシアサラニに勝てば、決勝も勝つ可能性は高いんじゃないかな」とべた褒めだった。

