暫定王者高山樹延(30=角海老宝石)が王座統一に失敗した。V2戦となる正規王者ジャック・ブルベイカー(24=オーストラリア)との対戦で、終始ペースを取られて、11回にダウンを奪うも1-2で判定負けした。

 初回からジャブ、右フックで先手をとられた。4回の公開採点は1-1も、流れは変わらずに反撃も単発に終わる。右まぶたをカットし、8回の採点では1-2とリードされた。9回には鼻血を出し、10回には棒立ちになる場面も。劣勢も相手のスタミナが切れ、11回右アッパーでダウンを奪った。しかし、最終12回もあまり手が出ず、逆転はならなかった。

 終始相手に先手をとられて守勢に回った。ガードをしながらも、リーチのある右の大振りフックを何十発も食った。「効いてはいなかったが、集中力を切らされた。あれよあれよという間に終わった。ポイントを取られているのは分かっていたのに。ひどいボクシング。打ちにいくと返され、お釣りをもらってペースダウンした。見ていた人も歯がゆかったのでは」と完敗を認めた。

 サバサバした表情だったが、途中で涙が落ちた。鈴木会長は「10回は止めようかと思った。11回もぐらっとしたらタオルを投げるつもりだった。よく盛り返した」と感心した。しかし、プロデビューした記念日に、5年ぶりの黒星で2敗目となり、王座からも陥落となった。