プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23)が、弟の前東洋太平洋同級王者拓真(21)、いとこの日本スーパーライト級13位浩樹(24=いずれも大橋)と20日から静岡・熱海で合宿に入っている。2日目となる21日には1年ぶりの砂浜トレーニングが始まり、足に絡み付く砂に苦悶(くもん)の表情を浮かべる姿が。

 「きっつい!」と言いながら動き続けること約2時間。800メートルを10本、シャトルラン、ラグビーのスクラムのように体を押し合う体幹トレーニングを組み合わせたものなど、メニューは多彩。「これをやったあとは踏み込みが違う。強いパンチを打てる」と額に汗も、昨年の同時期の砂浜から得た成果があるからこそ、一切の妥協はしない。

 午前中に砂浜を終えたあとは、昼食を挟んで坂道ダッシュも敢行。急勾配を200メートル走りきるなど、パンチ力の源となる下半身の強化に余念がなかった。時には足がつりそうになりながらも、弟、いとこと競い合うことでメニューを完遂。次戦となるV5戦は今春に計画される。「全体的に強くなりますよ」と下地作りに励んでいた。