興奮、約束します-。今日21日に東京・有明コロシアムで開催されるダブル世界戦(日刊スポーツ新聞社後援)の前日計量が20日に同会場で行われ、WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)がリミットの52・1キロでパスした。挑戦者に同級2位リカルド・ロドリゲス(米国)を迎える5度目の防衛戦。秋の米国進出につながる内容を念頭に「お客さんを興奮させたい」と誓った。

 試合展開が井上の頭に浮かんでいた。「序盤は触れさせない。後半に倒しにいく。倒しにいく時は接近戦なので面白い展開になると思いますよ」。相手は手数が多く、ラフに振ってくるタイプだが「距離をとれば、通用はしないでしょ」とさらり。「まあ、もちろん、あの距離(接近戦)でもタイミングがあれば、いきますけど」とさわやかに自信のコメントを口にした。  攻守の見せ方に一段とこだわるのは訳がある。V5戦を通過すれば9月には米国進出が待つ。昨年9月にロサンゼルスで世界戦を観戦。プロに何が必要か、肌で感じてきた。「お客さんが第一です。どう喜ばすか、どう興奮させるか、次も見たいと思わせるか。それを考えながらやりたい」。

 計量後にはいつも通りに父真吾トレーナー特製のサムゲタン、夜には焼き肉で備えた。「スーパーフライ級も5度目なので慣れてきた」。その体で熱狂をもたらす。