全日本大学ボクシング王座決定戦10度の優勝を誇る近大ボクシング部の男性監督(29)が、教え子の女子部員にセクハラ行為をし、大学から自宅待機を命じられていたことが11日、分かった。監督は12年ロンドン五輪代表で、16年4月に就任。性的行為を求める言葉を発していたほか、後ろから抱きつくなどの行為をしていたという。

 近大のハラスメント全学対策委員会の調査に対し、同監督はハラスメント行為があったことは認めているといい、大学は「調査が済み次第、処分を決定する」。アマチュアを統括する日本ボクシング連盟は先月28日、被害部員の母親から内容を記した文書を受理。同連盟の山根明会長が監督に確認すると「冗談でやった」としつつ、事実を認めたという。監督は同29日から自宅待機している。

 山根会長は11日、大阪市内の同連盟大阪事務局で「ここでは言えないぐらい、えげつないセクハラ」と説明。被害部員はセクハラの内容を録音した音声を持っているといい、同連盟は男性監督を除名する方針だ。

 近大ボクシング部は09年に部員2人が強盗事件を起こして廃部。同部OBでタレントの赤井英和氏(現名誉監督)を総監督とし、12年10月に復活していた。現在の部員は男子26人、女子4人。全日本女子ボクシング選手権で優勝経験を持つ部員ら、20年東京五輪の代表候補も複数在籍している。大学は「処分が(監督ら)個人になるか、部になるかも現時点では分からない」としており、有望選手への影響も懸念される。

 同部では先月14日、16年4月に赤井氏から総監督を引き継いだ男性コーチ(54)が、スタッフへの暴力行為で辞任。15日に開幕する全日本選手権大阪府選考会を控える中、またしても不祥事が発生した。