12日に徳山・鳴門市で人命救助に貢献したK-1の小宮山工介(30=K-1ジム北斗会館)が14日、都内で記者会見に臨んだ。

 格闘技修行の一環で、周南市の少林寺拳法の師匠のもとを訪問する途中、交通事故の現場に遭遇。炎上したトラックの窓ガラスをひじ打ちで破壊し、車内にいた男性を救出して鳴門市の警察署と消防署から表彰されていた。

 タオルを巻いてガラスをひじ打ちしたものの、裂傷で10針を縫う大けがだった。さらにMRI検査の結果、患部にガラスの破片が残ることた確認され、除去する必要があるという。骨には異常がなかったが、まだ右ひじは痛々しい傷痕が残っている。それでも小宮山は「ケガ人は自分を含めて4人いたのですが、幸い救助のかいあってか誰も命に別条はないということでホッとしています」と口にした。

 炎上するトラックが爆発する可能性があり「恐怖心がありました」と吐露。この勇気が必要な場面で、K-1の経験が生きたといい「恐怖心の抑え方は試合と似ていたかもしれません」と明かした。試合ができなくなることも頭をよぎりながら「最初は拳で割ろうと思って、よく考えたらひじの方が固いからひじで割ろうと思ったので、意外と冷静だったかもしれません」と振り返った。

 小宮山は昨年9月、K-1スーパー・フェザー級世界最強決定トーナメントに出場。1回戦でパウロ・テバウ(ブラジル)に勝利した後、足の負傷で準決勝を棄権。復帰を予定していた今月のKrush後楽園大会も参戦を見送っていた。

 試合復帰は9月18日のK-1さいたま大会を予定していたが、出場は右ひじの回復状況をみて決める見通し。早くても9月か、11月ごろになる見込みだ。

 小宮は「腕の状況によってなので、はっきりいつ試合ができるとは言えませんが、早く試合をしたいと思います」と早期復帰を目指す意向を示した。