米総合格闘技(MMA)のUFCは9月23日、2年ぶり5回目となる日本大会・UFCファイトナイト・ジャパンをさいたまスーパーアリーナで開催する。

 パンクラスで活躍していた女子格闘家の朱里(28=ボスジムジャパン)が、本名「近藤朱里」のオクタゴンネームで世界最高峰とされるMMAの大舞台に立つ。女子ストロー級5分3回で、ジョン・チャンミ(19=韓国)との対戦が決定。このほど日刊スポーツなどのインタビューに応じ、UFC王座奪取に向けた第1歩を踏み出す決意を示した。

 空手をベースにした打撃を武器に、08年にファイティングオペラ「ハッスル」でプロレスラーとしてデビューを果たした朱里。プロレスの枠だけにとらわれず、キックボクシングのKrushにも参戦。16年からは総合格闘技のパンクラスと契約を結び、MMAに本格挑戦し、現在5連勝中だ。

 「UFCと契約できたことは本当にうれしかったです。UFCに集まる選手は本当にすごいと思います。これでUFC王者になるためのスタートラインに立てます」

 総合格闘技デビューから約1年半でのUFC参戦となった朱里は明確な目標を掲げている。ターゲットは女子ストロー級王者ヨアンナ・イェンドジェイチェク(30=ポーランド)。

 「ヨアンナ選手と試合するまでいきたいです。本当に自分が勝ち上がっていくことが大事。今回の日本大会でのデビューもうれしいですが、米国に行って試合がしたいです。UFC王者になって、スターを目指したいですね。もともと私はプロレスラーになる前、女優になりたかったんです。なのでUFCでスターになりたいです」

 最短距離でUFCベルトを狙う上でスタートダッシュは不可欠となる。UFCデビュー戦での白星は大事なポイント。対戦相手のチャンミは身長で5センチほど高く、既にUFCデビューも果たしている。

 「(チャンミは)打撃が強い印象。リーチもあるので、1ラウンドは見ながら相手の技を見極めてしっかり戦いたいです。まずUFCジャパンで勝って、勝ちあがっていきたいです」

 女子プロレスをはじめ、Krushやパンクラスでもベルトを巻いてきた最強女子格闘家が、ついにUFCの荒波に挑戦することになる。

 ◆朱里(しゅり)本名・近藤朱里。1989年(平元)2月28日、神奈川・海老名市出身。小学校時代に空手を習う。08年にハッスルに参戦し、プロレスデビュー。12年にキックボクシングのKrushに参戦。14年に初代Krush女子王座決定戦を制し、初代女王に。16年1月にパンクラスと契約。同4月のパンクラス277大会で、浅倉カンナに判定勝ちし、白星デビュー。17年5月にパンクラス女子ストロー級王者に。同7月にUFCとの契約。父が日本人で、母がフィリピン人。164センチ、58キロ。