昨年11月世界ユース金メダリストで、アジアユースも2連覇した堤駿斗(はやと、千葉・習志野高3年)が兵庫・西宮香風高の完山隼輔に判定勝ちし、高校6冠を達成した。

 「今大会を通じて、試合後の体調の良さに収穫があります。今までは減量に苦しんだり、力みすぎて筋肉痛がひどかったのに、今回はそれがない。うまくリラックスしながら、試合ができたと思う」。実は準々決勝で右手首を痛めていたといい、この日も左中心の組み立て。推薦出場する全日本選手権(11月22日から、福井)を見据え、無理のない試合運びを心掛けた。

 「1年のインターハイは決勝で負けて、2年の国体は体調不良で出場できなかった。いいことばかりじゃなかったので、すごく意味のある高校時代を送れました」

 夢は東京五輪金メダルで、東洋大に進学予定。そこに向けてのステップが、11月の全日本選手権となる。尊敬するボクサーは「ボクシングスタイルが大好き。技術もすごいし、パンチもすごい」というWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥。その井上が高校時代に優勝した全日本選手権で「優勝を狙いたい。それができれば、東京五輪も見えてくると思います」と力強い抱負を口にした。