WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)が14連続KO勝利で、2つのジンクスも打ち破る。22日に初防衛戦(両国国技館)を控えた19日、都内のホテルでWBC世界ライトフライ級王者・拳四朗(25=BMB)とともに調印式に臨んだ。沖縄出身王者による初めてのKO初防衛、日本人のフランス人との世界戦初勝利をダブルで達成する意気込みだ。またトリプル世界戦のメイン、WBA世界ミドル級タイトル戦(エンダム-村田戦)の調印式は今日20日に都内で行われる。

 14連続KO勝利での初防衛だけに照準を合わせる。日本初の13戦全勝全KOで世界王者となった比嘉は「ここまできたら判定までいくのは納得いかない気持ち。12回の間に倒しきって勝ちたい」。パーフェクトレコード更新で2つのジンクスも突破する覚悟だ。

 (1)過去、日本ボクシングコミッション公認の沖縄出身世界王者6人は初防衛戦でKO勝ちしていない。守備重視のマソンに対し、師匠・具志堅会長は「倒しにくい」と警戒。周囲の心配にも、比嘉は「沖縄出身の先輩たちのように攻めるスタイルで、全国に感動を与えたい」と豪語した。

 (2)日本人が過去、フランス人と対戦した世界戦は4戦全敗の嫌なデータがある。その記録を知るマソンに「オレが続けよう。(比嘉の13連続KOに)怖さはない。今までの選手たちとは違う試合をみせる」と挑発された。王者も黙っていられない。「マソン選手も自分みたいなタイプと対戦したことはないでしょう」。

 具志堅会長には「7時からの生中継で早く倒しすぎても。いい回でゴーサインを出す」と7~8回のKO指令を受けた。「何回でもKOできれば」と言う比嘉が、ジンクスも打破で日本記録の15連続KO勝利に王手をかける。【藤中栄二】