女子プロレス界のレジェンド、豊田真奈美(46)の引退試合が3日、横浜大さん橋ホールで30周年記念興行と銘打って行われた。3月に首と肩の故障のため引退を表明した豊田は、前代未聞の51試合を行い、30年の現役生活に別れを告げた。

 午後3時5分開始の第1試合から、午後7時過ぎまで約4時間。短い休憩をはさんで豊田はリングに立ち続けた。48試合目までは、試合時間は1分。時間切れ引き分けが多いなかで、序盤の後輩たちとの戦いでは、時に熱く、時に涙で、魂の戦いを続けた。38試合目のブル中野との対戦では、中野のヌンチャク攻撃を耐え、丸め込んで勝利。続く長与千種との試合では、長与が豊田の攻撃にあっさり大の字となり、勝利したが2人の気持ちが通じ合う雰囲気に会場は大歓声に包まれた。

 最後の藤本つかさとの戦いは、豊田のプロレス伝承マッチ。自分を親と慕う藤本を49試合目であっさり片付けると試合続行を要求。50試合目も勝つと、51試合目には、ついに自分の得意技ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスを決められ、リングに大の字にのびた。豊田は「痛くない自分の体に本当に戻りたいです。申し訳なく、悔しい気持ちでいっぱいです。30年間、プロレスやってきて本当に、本当に幸せでした。痛みのない生活をして、これから第2の青春を楽しもうと思います」とファンに別れを告げた。