10月31日にプロレスラーを引退した大仁田厚(60)が3日、東京・新木場1st RINGで「大仁田反省会」を開き、メインイベントのバトルロイヤルでレフェリーデビューした。

 ところが、リング上でパイルドライバーを放つなどレスラーさながらのファイトを見せ“主役”になってしまった。試合は6分50秒、超電戦士バトレンジャーが勝った。

 プロレスラー引退から1カ月…レフェリーとしてリングに帰ってきた大仁田が、やってしまった。有刺鉄線バットを手にリングインすると、バトルロイヤルに出場するパンディータ、ショッカー、寺尾利明、太仁田ブ厚、佐瀬昌宏、雷電、保坂秀樹、HASEGAWA、佐野直、超電戦士バトレンジャー、友龍、櫻井匠、ワイルドコモン、そして乱入した雷神矢口をにらみ付け、有刺鉄線バットを突きつけて「今までは反則は全部、認められたんだよ。今日からは認めないんだよ。(有刺鉄線は)俺のアイテムだ、バカ野郎」と言い、すごんだ。そして、反則行為に及んだ雷神矢口を有刺鉄線バットで殴った。

 大仁田は興奮がマックスに達したのか、選手たちがリング中央に長机を置き「お願いします」と懇願すると、HASEGAWAを机の上で担ぎ上げてパイルドライバーでたたきつけた。その後、レスラー3人を相次いでハリセンで引っぱたき、毒霧まで吐く大暴れ。3カウントを宣告すると、最後は「でっかいことをやります」と叫んだ。「気持ちはレスラー。出来ないことは腹が立ちます」と現役への未練をのぞかせつつも「60歳になって…もう1回、リングには上がらないよ」と現役復帰は重ねて否定した。

 大仁田はレフェリーデビュー前のリングで、引退試合の映像を見て、自ら解説するトークを雷神矢口と橋本友彦とともに行った。その中で一方で「反則は許さない。反則をしたレスラーがいたら、有刺鉄線バットで殴りますから」と、リング上で反則行為などがあった場合は、レスラーに鉄拳制裁ならぬ“有刺鉄線バット制裁”をすると断言していた。

 大仁田は、引退から一夜明けた11月1日に都内で開いた会見で、レフェリーデビューすると電撃発表。「人間、日々、反省だなと。裁く立場じゃなく、裁かれる立場だったけれど…レフェリーをやってみようかと。やったこと、ないんですよ。悪役レフェリーとしてデビューする」と即答。 ただ、全日本プロレス所属の1985年(昭60)1月3日に後楽園ホールで引退式を行った後、1988年(昭63)にコーチとして入団したジャパン女子のリングで、同じくコーチのグラン浜田との因縁が生まれ、同12月3日に対戦し、敗れた現役復帰の“前科”があった。そのことについて突っ込まれると「もうファイトはない。早すぎるだろ。ないよ」と現役復帰はない考えを強調していた。

 矢口と橋本とのトークでも、矢口から「皆さん、大仁田ロスでしょう? 復帰しないんですか? 俺が1番ロス」、橋本から「早く、復帰しないかなぁ…待ってます」と言われると、「しないって。バカ野郎!」と、改めて復帰を否定した。

 その上で「やらなきゃいけないことがあって…バカなんですけど。ためて、ためて爆発させることが大事。4月頃に爆発させると思います。大仁田、こんなことをやるんだと…」と18年の年明け以降に、何らかの大きな動きを起こすことを予告。「こんど、やることはブーイングをたくさん食らう。言えないけれど、やらないといけない」と言い、不敵に笑った。【村上幸将】