ボクシング全日本新人王の前日計量が22日に都内で行われた。12階級の24人全員がクリアしたが、注目はスーパーフェザー級。森武蔵(18=薬師寺)は4勝(4KO)無敗で西軍代表決定戦MVP、ジロリアン陸(29=フラッシュ赤羽)は8勝(8KO)1敗で東日本敢闘賞。ともにパンチ力があり、KO決着は必至だ。

 森は空手をやっていたが、小5からボクシングを始め、11、14年のU15全国大会で優勝した。15年3月の中学卒業翌日には故郷熊本から単身で名古屋に向かい、世界王者を目指して薬師寺ジムに入門した。計量には「スターは身だしなみが違う」とスーツ姿で登場。「実力を出せば必然KO」と自信満々だ。プロ転向後は「ラーメンは不摂生」と食べず、世界目指してストイックな日々を送る。計量後は手作りのテールスープに祖母が作った弁当を食べた。12月23日は薬師寺会長が世界王者になった日。「ジム初の新人王でまたいい記念日にしたい」と期待した。

 マジシャンでもあるジロリアンは日本ランク入りを目指してボクシングを始めた。勝てば目標達成となる。リングネームはラーメン二郎好きが高じてのもの。普段は3週間前に封印するが、今回は我慢できずに10日前に食べ「減量がきつかった」と苦笑い。こちらは計量後に神保町店に向かい、「食べなかったデビュー戦だけ負け」とゲン担ぎでもある。「注目されるのは重圧もあるがうれしい。大人の怖さを見せてやります」と負けていなかった。