IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が自己新記録となる9度目の防衛に成功した。17年G1クライマックス覇者の挑戦者内藤哲也(35)に対し、3回目のレインメーカーでマットに沈め、34分26秒、片エビ固めで白星を挙げた。

 敗れた内藤は「オレは負けてなんかねーよ。勝つまで何度でもやってやるよ」とふらつく足どりで言った。オカダの首を徹底的に攻めたが、最後は力尽きた。

 中3で決めた3つの誓いがあった。新日本入団、ヘビー級ベルト、残された最後が1・4のメインだった。サッカー少年だった15歳は「1人の人間に数万人の目が集まる」と憧れた。その頂点が東京ドームの花道。「誰に笑われようと大事にしてきた」。今でもファン会員だけに「新日愛」から団体方針への違和感を問う。「あの時チケットを買って客席にいた気持ちを忘れたくない」。その姿勢がファンの心をつかんだ。

 夢見た長い花道を歩き、死力を尽くし、そして敗れた。「今日、ひとつのゴールを迎えた。でもそれは中3の時の夢。レスラー内藤哲也としての夢がでてきた。いまひとついえるのは、オレは必ずこの舞台に戻ってくる」と目を光らせた。