元日本スーパーフライ級王者でWBA世界同級7位の石田匠(26=井岡)が復帰戦を3回1分13秒、KO勝ちで飾った。

 東洋太平洋同級10位ラチャーノン・サワーン・ソーダー(26=タイ)にフックからボディーの左ダブルを決め、マットに沈めた。「まあ、当然でしょう」と、世界ランカーと東洋太平洋ランカーの違いを見せつけた。

 昨年10月28日に英国でWBA世界スーパーフライ級王者カリッド・ヤファイに挑戦したが、0-3の判定負け。「こんなに違いがあるのか、と痛感した。(ヤファイは)距離感、休むときと攻めるときの切り替えがむちゃくちゃうまくて…。僕が“行こう”と思った時は、遅かった」。しかし、心は折れず、むしろボクシングに対する楽しさが増した。この日は「久々の試合ですが、以前までと全然違いました。すべてにレベルアップしてる感覚があります」と話した。井岡一法会長も「石田はなんか“箔(はく)が付いた”感じですね」と目を見張る。

 すぐに世界再挑戦の話がまとまるとは思っていない。「僕が試合をしていって、勝っていって。自分でチャンスをつかむしかないでしょう」。先の見えない戦いを、地道に1歩ずつ進んでいく覚悟を口にした。