ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)は12日、挑戦者に同級8位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を迎える初防衛戦(4月15日、横浜アリーナ)へ向け、米国人パートナー2人と計6回のスパーリングを消化した。試合まで約1カ月となるが、「(防衛戦の重圧は)エンダム戦よりないですね」と実感を述べた。

 昨年10月、王者アッサン・エンダム(フランス)との再戦は「勝ってくれるんだろうというのがあった」と振り返る。同5月の王座決定戦で、ダウンを奪いながらの不可解判定で負けた相手だっただけに、世間には勝利が当然の見方もあった。それは重圧だった。「1度大きな重圧を経験しているので、マシかなと」と柔和な表情をみせた。

 本格的な減量期はまだ入っていないが、いまはサウナに通う。ボクサーの定番のように聞こえるが、村田の目的は体重減のほかに、「代謝を良くして筋肉痛を治すため」。多いときは10分超を4セットほど入るという。スパーリングなどの実戦強化に加え、今回も直前まではフィジカルトレーニングを行う。肉体のダメージ回復も大きなポイントとなる。

 この日のスパーリングでは至近距離で相手の頭が下がった所に、右のショートフックを合わせにいく場面が見られた。「いろいろ試してます。有効ですね。悪くない」とV1戦へのイメージをふくらませていた。